富士商グループホールディングスロゴ

Action グループ各位の取り組み

富士海運株式会社

船舶運航のエネルギー効率向上や
低炭素運航技術の研究を通じて、
海運業界のSDGs達成に貢献したい

Target 2030

  • 安心・安全第一の海上貨物輸送
  • 環境負荷低減への取り組み
  • 健康に活躍できる職場づくり
  • 地域活性化への取り組み

新規建造している船舶には、
燃料効率を高めた設計でCO2排出量削減を。

富士海運では、船舶運航における、
カーボンニュートラルに向けて、
どのような取組をされているのでしょうか?

船舶運航におきましては、燃料として重油を大量に消費し、その際にCO2を排出します。
現状の供給性を鑑みますと、簡単には他の種類の燃料に変えることは、自社単独では容易ではありません。国を挙げてこの問題に取り組む必要性を感じております。
既存の船舶について、CO2排出量を抑える事はなかな難しいのですが、現在、新規で建造しているセメント運搬船は、新しい技術をふんだんに取り入れ、従来の船よりも燃費効率を高めた設計となっており、CO2排出量の削減につながると考えております。


「新設計部品」の開発により全負荷域で
省エネルギー性能が向上する電子制御機関を実現。

新しい船舶には、どのような燃費向上技術を
導入するのでしょうか?

新しく建造している船舶は、当社としては最大級の船舶となります。電子制御の導入による燃料消費量の削減を図る「省エネ船舶」です。当社の船舶では、初めての技術タイプとなる主機関エンジンを採用し、全負荷域で、省エネルギー性能が向上する電子制御機関となっております。

航行の最適化にはどのような方法が
取られているのでしょうか?

気象庁のデータを活用し、天候や海流に応じて航路を自動的に調整できる通信システム「Starlink」と高度船舶管理システムを採用しています。
航海支援と機関管理を24時間体制で行う事が可能で、航路の天候状態を加味し、航路の選択や速度の調整をほぼ自動で行う事が可能となりました。これにより燃料を節約することができます。
艦隊の通信も、より円滑になりデータ管理の効率化にも繋がっています。
航路の天候状態を把握しながら、それに合わせた速度調整を電子制御機関で細かく調整することにより、燃費に対して全体最適を図ることができます。燃費の向上により、単位あたりのCO2排出量も抑えることが出来るという事です。


将来的にはどのような燃料やエネルギー技術の
利用を検討していますか?

航路の安定している、大型船・外航船については、LNGや燃料アンモニアの船が実用化されつつあります。ただ、内航船に関しては、サプライチェーンの構築に時間が掛かると予想されます。
その状況においては、CO2の排出量減少率は少ないものの、バイオディーゼル、バイオ混合重油あたりが普及するのではないかと考えており、使用することを検討しております。
将来的には、燃料アンモニア輸送や水素輸送のビジネスを行う可能性があると思いますが、その際に、運ぶ船の燃料もそれらを利用する可能性はあると思います。
内航船においてアンモニアや水素を燃料とする際の技術開発にも取り組んで行きたいと考えておりますが、これらの新しい技術の導入には特殊な資格や訓練など多くの準備が必要なため、今後の課題として進めてまいります。 

他には、カーボンニュートラルや持続可能な
開発目標(SDGs)の実現に向け、どのように
取り組まれておられますか?

社屋敷地内に、ソーラーカーポートと蓄電池を導入しました。厨房機器も電気温水器等に切り替えたのでソーラーで発電して貯めた電気をオフィスで自家使用しております。
また若い方が、船員として快適な環境で働けるように、新しい船では、個室や、Wi-Fiを完備、女性船員も同じ船で働けるよう、トイレやその他船内住環境は昔に比べて随分改善されております。
なにせ、海上での仕事でございますので、陸上や、オフィスには無い危険や苦労があるのも事実ですが安全第一で、快適に海での仕事ができるよう、全社一丸となって職場環境の改善、向上に取り組んでいます。
カーボンニュートラルにおいては物流の最適化から、モーダルシフトが進んでいく事も予想されます。
現在、PKSなどのバイオマスの運搬も行っておりますが、そのような貨物運搬も増加していくと思われます。
日本において、海運の重要性が更に増していき、この仕事へのやりがいも大いに感じています。
今後とも、船舶運航において、安全第一に、カーボンニュートラルという社会課題の解決に向けてエネルギー効率の向上や低炭素燃料の実装に向け、研究を重ねて参ります。
また、職場環境の改善をさらに進め、若い船員さんが、富士海運の船に大勢乗船し、快適に働ける職場を目指します!